大ベストセラー『窓際のトットちゃん』で、自身の半生を記した黒柳徹子さんが、今度はいままでであった人たちの言葉を紡いで、自分の人生を振り返ります。
出会った人たちは、私たちもよく知っている人ばかり。向田邦子さん、渥美清さん、沢村貞子さん。
黒柳さんを励ました言葉は、読んでいる私も励ましてくれた。沢村貞子さんは、いまもその料理がNHKのテレビで番組として紹介されるほどの料理通。沢村さんからもらった言葉は「人間ってね、一生懸命やると、後悔しないものなのよ」
この言葉はよくわかる。仕事では特にそうで、やれるだけやったことは、あとは野となれ山となれの気持ちになれるのだ。
黒柳さんが沢村貞子さんに「どうして、そんなにお料理が上手くなったの?」と聞いたときのこたえは、おつれあいさんへの体を思ってのことと、戦前刑務所に入っていたとき、差し入れる新聞や雑誌はすべて検閲で切り取られ、自分の手元まできたのはお料理の記事くらいだったという。だから熱心に繰り返し読んで想像でお料理していたら、釈放された時にはいっぱしの料理上手になってたわよ、と。