鈴木 結生 朝日新聞社
芥川賞受賞作。kindleで読了。
予想だにしなかったおもしろさ。ゲーテは詩を読んだことのあるものの、それ以外の知識はなく、アカデミックな小説など読めるのだろうかと思っていたのだが、読み始めるとつるっと一気読み。
大学教授一家のアカデミックさが鼻につくこともなく、それぞれの人柄の良さと、数珠繋ぎの人間関係の妙がおもしろく楽しい。
我が家の子どもたち3人とも名言好きで、畳の部屋の壁にはいまも落書きが残っている。
本書の主人公である大学教授の娘(大学生)が、父親に名言について語っている言葉を引用。
「(モンテーニュの時代から)名言を言うとその言葉の力を身につけることができる、と考えられていたらしい。それは今でも続いているでしょ。だから、人々は名言をお土産のマグカップに焼き付け、文房具に刷り込み、壁に落書きする、(以下略)」
確かに家の壁にも落書きが残っているとあらためて思う次第。