『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』『いっしょにおいでよ』『ぼくはアイスクリーム博士』『サーカスくまさん』『もりのたんじょうびパーティ』//書評のメルマガ

5/10日号で配信された「書評のメルマガ」では『13歳からの絵本ガイド』を読んで印象に残った絵本2冊と、『いっしょにおいでよ』、もりのこ絵本4冊シリーズの内の2冊『サーカスくまさん』『もりのたんじょうびパーティ』をご紹介しました。 http://back.shohyoumaga.net/ ———————————————————————– ■「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな ———————————————————————– 83 絵本の広くて深い世界  自分のよく知らないことを調べるにはガイドブックがもっとも近道。  もちろん、自分の勘だけで見つける楽しみもありですが、ガイドされることで深いところにたどりつけるんです。  『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』             金原瑞人/ひこ・田中 監修 西村書店  本書のガイドさんは編集者、書店員、翻訳者、評論家、作家の14人。  タイトルに13歳からとあえて掲げているように、小さいこどもが読む絵本とはまた違う切り口で紹介しています。  知らなかった絵本で読みたくなったナンバー1はこちら。  『天女銭湯』  作 ペク・ヒナ 訳 長谷川義史 ブロンズ新社  粘土細工の人形で天女さんを造形し、銭湯で出会う少女と天女さんとのやりとりが描かれています。  天女さんと少女の表情が独特でパワフルも感じられ、これは買って読まねばと思ってます。  そして既に読んでいた絵本で私もすすめたくなった絵本は2冊。  『レ・ミゼラブル ファンティーヌとコゼット』  原作 ビクトル・ユゴー 再話 リュック・ルフォール  絵 ジェラール・デュボワ 訳 河野万里子 小峰書店  長編の原作を再話したもので、文章もかなり多い絵本です。  原作の魅力を活かしつつ、絵と共に重厚な仕上がりで、これは本当におすすめ。  『宮澤賢治 「旭川。」より』  文・画 あべ弘士 BL出版  恥ずかしながら、この絵本で知った詩「旭川。」  「旭川で暮らす絵本作家が、この詩を絵本化したのも必然と言えるでしょう」の紹介文に納得。道産子の私は、旭山動物園であべさんの絵を初めて見て以来この画家のファンなのです。  詩とともに、あべさんの絵に深いところにつれていってもらえました。  どの絵本も中高校生が読んだらどんなふうに感じるのか楽しみなものばかり。  学校の図書室にぜひおいてもらいたいガイドブックです。  さて、引き続き私からも絵本をご紹介していきます。  『いっしょにおいでよ』  ホリー・M・マギー 文 パスカル・ルメートル 絵   ながかがちひろ 訳 廣済堂あかつき  ながかわちひろさんの訳者あとがきによると、  この絵本は「自由なくらしを手放さないこと、外国のたべものや文化を楽し  むことも、テロやヘイトスピーチへの意思表示」と思った作者と画家の2人  がつくりました。  おんなのこはテレビでニュースをみてこわくなります。  たくさんの人たちがにらみ合い怒りをみせている。  この国から出て行けと怒鳴っている。  お父さんにたずねます「こんなのっていやだ、どうしたらいいの?」と。  「いっしょにおいで」とお父さんはおんなのこと外出します。  おんなのこはお母さんにもたずねます。  お母さんとも外出しました。  両親と外出して感じたことで、  今度はおんなのこはひとりで出かけます。  途中で友だちのおとこのこといっしょになります。  「いっしょにおいでよ」  そんな一言で、勇気を出してみる。行動してみる。  世界をよくしていくには、最初の一歩を踏み出すこと。  平易な言葉で、自分のくらしを手放さないためにどうするかが伝わってきます。  絵本のなかにいるおんなのこは、時に、私たち読み手を見つめていて、その目をみていると、自分も襟を正す気持ちになりました。  メッセージ力を実現させているのは、翻訳者なかがわさんの力でもあります。  http://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=25 […]